美容業界が抱える課題とは?美容室・サロンの今後の動向も解説
2022年8月31日
美容院の安定した運営・経営に欠かせないのが、常連客の存在です。
ところが、
と、常連客離れに頭を抱える美容院も少なくないでしょう。
そこで今回は、美容院に常連客が来なくなる理由と失客を防ぐ対策について解説していきます。
常連客が来なくなる理由を知り、対策を講じることで、常連客離れからの脱却を目指していきましょう。
目次
美容院に常連客が来なくなる理由として、どのような原因が考えられるでしょうか。
厚生労働省のデータと、美容ディーラーでコンサルティングメニューも提供している弊社クリエイティブブレーンの経験をもとに、美容院に常連客が来なくなる理由を5つに分けてご紹介します。
【参考】今日から実践!収益力の向上に向けた取組みのヒント(美容業編)|厚生労働省
美容院に常連客が来なくなる理由の一つ目が、引っ越しや転職といった生活の変化によるものです。厚生労働省のデータでも、「引っ越しや生活の変化で行けなくなったから」が最も多い結果となっていました。
【生活の変化】
また、上記のような理由から来店期間が空いてしまい、来店することに引け目や気まずさを感じて来なくなる常連客も少なくありません。この場合、期間が空いても安心して来店いただけるような工夫が必要でしょう。
加えて、近年はコロナ禍で通いづらくなったという声も見られます。感染症対策の実施をアピールし、常連客の不安を取り除くことも大切です。
美容院に常連客が来なくなる理由の二つ目が、担当美容師の技術力低下です。厚生労働省のデータでは、生活の変化に次いで多い結果となりました。
【担当美容師の技術力が落ちたと感じる時】
上記のように、単純に「技術力が落ちている」「流行が追えていない」というケースの他にも、「常連客の好みや悩みは熟知している」という思い込みからカウンセリングが省略され、結果として思い通りの仕上がりにならなかったという要因も考えられます。
例えば、髪質は生活習慣やストレス、加齢、ホルモンバランスの変化、カラーやパーマの繰り返しなどによって変化しますので、以前は問題がなかった薬剤や施術が突然合わなくなることもあります。そのため、常連客であっても丁寧なカウンセリングは必要不可欠でしょう。
美容院に常連客が来なくなる理由の三つ目が、担当美容師の退職によるものです。
担当美容師の退職を理由に美容院に来なくなる常連客は多く、また、担当美容師の退職後も継続して来店していたものの、後任美容師の施術や対応に満足できずに離れてしまうケースもよくあります。
特に、独立開業に伴う顧客の引き抜きは美容院運営における一つの問題です。例えば、退職する美容師が顧客情報を無断で持ち出したり、退職する美容院を誹謗中傷したりといった不当な方法で常連客を連れて行くことは違法になる一方で、美容師自身が自らのSNSやオウンドメディア等で集客活動を実施することは自由競争の範囲内ですので、一概に悪い行為だと言い切れません。
このような問題を防ぐためには、就業規則や誓約書等を取り交わすといった対策の他、美容師個人のスキルに頼らない美容院運営を目指す必要があるでしょう。
美容院に常連客が来なくなる理由の4つ目が、美容院が設定しているターゲット層と常連客が合わなくなったというものです。
常連客の好みやパーソナリティが美容院のターゲット層から外れてしまったということであれば美容院のマーケティング戦略が目的通り働いていると捉えられますが、意図せずターゲット層が外れてしまっている場合は注意が必要です。
【美容院が意図せず常連客と合わなくなる要因】
長年同じ美容院に足を運んでいる常連客にとって、顔馴染みの美容師や他の常連客がいることは安心材料の一つです。美容師や顧客の顔ぶれが入れ替わるようになると、雰囲気が変わったように感じるのは仕方がありません。
また、美容師のファッションスタイルは美容院のブランディングに大きく影響します。そのため、美容師のファッションやメイクなどに最低限のルールを設定し、美容院のブランディングを維持するといった工夫も効果的です。
美容院に常連客が来なくなる理由の五つ目が、対応が雑に感じるようになったというものです。
【美容師の対応が雑に感じる時】
対応が雑になる根本的な原因として、自分指名の顧客が増えてきたことがあげられます。変わらない接客・技術を提供し続けるためには、マニュアルの徹底・スタッフとの連携強化・人材不足解消などの対策が必要でしょう。
加えて、常連客という安心感から馴れ合いの度が過ぎてしまわないように注意が必要です。例えば、夫婦経営の美容院では「目の前で夫婦ゲンカするようになったので通うのを辞めた」というケースも見られます。質の高いサービスを提供し続けるためには、常連客と適度な距離感を保つことも大切なのです。
常連客に長く愛される美容院になるには、どうすれば良いのでしょうか。
常連客が来なくなる前に美容院がすべき対策をご紹介します。
常連客が来なくなる原因の一つに美容師のスキル不足があるように、常連客を定着させるには、いつ来ても質の高い施術が受けられるという価値提供が不可欠だと言えるでしょう。
美容師のスキルアップを促すには、具体的なスキルアップ方法を提示したり、講習会等の情報提供をしたりと、スキルアップに取り組みやすい環境を美容院側が作ることが重要です。
【美容師のスキルアップ方法】
また、昇給や昇格といった目に見える評価が受けられるスキルアップ制度の整備も自己研鑽の促進に繋がります。
スキルアップ制度を整備するにあたって気をつけたいポイントは、評価・昇給・賞与基準をシンプルでわかりやすくし、オープンにすることです。そうすることで、美容師が自分自身で目標設定できるようになり、モチベーションを高く保つことができます。
加えて、スキルアップ制度の存在は、評価が上がるだけでなく、下がる可能性もあるという良い緊張感も生み出します。
常連客が来なくなる原因として、美容師のモチベーション低下や退職、スタッフ同士の連携の弱さ、人材不足などがあります。
美容師のモチベーションを保ちつつ、「この美容院で長く勤めたい」「一致団結してより良い美容院にしていきたい」と思ってもらうためには、働きやすい環境を作ることが大切だと言えます。
そして働きやすい環境を考える際は、「どのような美容院で働きたいか?」と求職者側の目線を持つと、見えてくるものがあるでしょう。
【就職・転職活動時の重要な要素】
常連客から愛される美容院になるために、まずは働く美容師やスタッフから愛される美容院を目指していきたいところです。
常連客が来なくなる原因の一つに、常連客に対するサービスの甘さがありますが、質の高いサービスを提供し続けるためには、美容院全体で高いプロ意識を持つことが重要となります。
【プロ意識の高い美容院・美容師の例】
例えば、施術内容や工程をお客様に公開し、工程の漏れや施術の意図について双方で確認するというシステムを取り入れている美容院もあります。このように、日々の業務に緊張感を持たせることは、美容院全体で高いプロ意識がキープでき、常連客からの信頼獲得にも貢献します。
常連客が絶えない美容院には、どのような特徴があるのでしょうか。
弊社クリエイティブブレーンでは、常連客に愛される美容院には下記のような特徴があると考えます。
それでは詳しく見ていきましょう。
ホスピタリティとは、「思いやり」や「おもてなし」という意味を持ちます。
常連客が絶えない美容院で働く美容師は、与えられた業務をきちんとこなすだけでなく、顧客を思いやった接客や振る舞いができていると感じます。
例えば、
といったものです。
また、レセプションスタッフやアシスタントにも高いホスピタリティがあれば、それぞれのスタッフとの間に絆や信頼関係が構築され、担当美容師が不在時や退職した際も、安心して来店することができるでしょう。
常連客が来なくなる美容院は、美容師のモチベーションが低い傾向にあります。
反対に、常連客が絶えない美容院で働く美容師は、常に高いモチベーションを維持できているように感じます。
【モチベーションが高い美容師の特徴】
スキルアップ制度の導入や、美容院全体でのプロ意識の向上をはかり、美容師のモチベーションを高く保つ体制を整えていきましょう。
常連客が絶えない美容院は、どの美容師も高い提案力・技術力を持つ傾向があります。
とは言っても、入社したばかりの新人アシスタントにトップスタイリストと同じスキルを求めるのは酷なことです。
この問題を解決するために、どのスタッフが対応しても平均的なレベルのサービスを受けられるように書かれたマニュアルを導入するという方法があります。
特に美容師のような技術職では「先輩の技術を見て覚える」という指導方法が優位に働くケースもありますが、経験を積むこと以外でできるサポートを取り入れることは、スタッフの成長スピードを加速させるだけでなく、美容院全体の質の向上にも繋がるでしょう。
常連が絶えない美容院は、ファッションセンスが高い美容師やアシスタントが多い傾向にあります。
美容院に来店する目的は髪を切ることだけが目的ではなく、「オシャレになりたい」「可愛くなりたい」「かっこよくなりたい」といった意味が含まれます。ですので、ファッションセンスが高い美容師に切ってもらいたいと思うのは当然のことだと言えるでしょう。
例えば具体的な取り組みとして、SNSやYoutubeで見られる意識を持たせたり、店販商材にファッションアイテムを取り入れたりといった方法があります。
特に近年では、SNSの投稿を見て美容院を選ぶ顧客が増えていますので、常連客の定着だけでなく、新規顧客の獲得にも期待できます。
集客方法については「【10選】美容室の集客方法まとめ|新規・リピート客別の具体策も解説」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
常連客が来なくなる美容院は、来店した際に「雰囲気が暗い」「ディスプレイのセンスが良くない」といった印象を受けます。
反対に常連客が絶えない美容院は、店販のディスプレイやインテリアのセンスが良く、明るい雰囲気を感じます。
【センスが高いと感じる美容院】
ただし、「内装や外観がガラッと変わって、入りづらくなってしまった」と常連客が来なくなるケースも考えられますので、ディスプレイやインテリアのリニューアルは慎重に取り組んでいきましょう。
美容院に常連客が来なくなる理由と、失客を防ぐための対策についてご紹介しました。
今回ご紹介した方法以外にも、
など、常連客離れを防ぐためにできる工夫はまだまだたくさんありますので、弊社のようなコンサルティングサービスを提供している美容ディーラーや、美容院経営に強いコンサルタントをつけて対策されることをお勧めします。
美容ディーラーの選び方については、
「美容室ディーラーの選び方を解説!信頼できるディーラーのポイントとは?」で詳しく解説しています。
クリエイティブブレーンは、COTA専売の美容ディーラーです。
私たちはただ単に商材を販売するだけではなく、サロン経営が成功するために必要な様々な情報やノウハウを提供していくパートナーを目指しています。スタッフを採用したい、売上をあげたい、良いサロンを作りたいなど、様々なお悩みを持つサロンさまと一緒になって歩んでいく事が私たちの大きな役割です。
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