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美容室開業の流れを10のステップで解説!必要な手続きや手順を時系列も紹介

2022年10月5日
  • コラム

「美容室はどのような流れで開業するの?」
「美容室開業に向けて、手順通りに進めていきたい」
「美容室を開業するには、どのような手続きが必要?」

このような疑問や不安を解消するために、本コラムでは美容室開業までの流れについて詳しくご紹介します。

手続きや書類、資金調達、店舗用物件選びのポイントも交えながら解説していますので、開業に向けて具体的に準備を進めていきたい方から、将来的に開業したいという目標をお持ちの方まで、ぜひ参考にご覧ください。

【10ステップ】美容室を開業する流れ

美容室を開業するには、コンセプトや事業計画といったソフト面を考えるための準備段階と、不動産の契約や開業届の提出といった実際に動き始める実行段階の2つの段階に分けられます。

そこで今回は、美容室開業までの流れについて準備段階と実行段階をあわせて下記の10ステップにまとめました。

【準備段階】

①:市場調査
②:コンセプトの検討・立案
③:事業計画の相談・策定

【実行段階】

④:店舗用物件の調査
⑤:資金調達・借入
⑥:店舗用物件の契約・着工
⑦:従業員の採用活動
⑧:開業手続きの手配・提出
⑨:集客活動の開始
⑩:プレオープンの実施

それでは、各ステップの詳しい内容とポイントについて詳しく見ていきましょう。

ステップ①:市場調査

美容室開業における市場調査とは、コンセプトや事業計画を考える上で必要な情報を収集することです。

美容室は立地によって客層が変わりやすいため、立地条件ごとに客層・通行量(交通量)・価格帯・競合・メニュー・集客方法などの情報を取っていきます。

【立地の例】

  • 駅前
  • ビジネス街
  • 繁華街
  • 住宅街
  • 商業施設内
  • 国道沿い
  • 幹線道路沿い

市場調査のポイントは、想像やイメージで情報を集めるのではなく、信頼できる情報機関が発表している統計から集めることです。

厚生労働省の「平成27年度生活衛生関係営業経営実態調査<美容業の実態と経営改善の方策>」では、立地条件別の施設数などが詳しく調査されていますので、ぜひ参考にご覧ください。

また、データだけに頼らず、実際に足を運んで客層やエリアの雰囲気を確かめることも重要なポイントです。

ステップ②:コンセプトの検討・立案

コンセプトとは美容室が目指す指針を表すもので、コンセプトがしっかりと固められていれば、美容室経営に一貫性を持たせることができ、競合と差別化を図ることもできます。

また、従業員を雇い入れる場合は、「どこを目指して進んでいるのか?」という目標が明確になるため、従業員のサービス・施術の質やモチベーションにもプラスに働くでしょう。

さらに、コンセプトが確立されている美容室は顧客が集まりやすくなるという傾向があります。

例えば、“インナーカラーが得意な美容室”というコンセプトが確立されていれば、「今すぐインナーカラーがしたい」と美容室を探している顧客(顕在顧客)にヒットするだけでなく、「インナーカラーって可愛いな」という漠然とした憧れを持つ見込み顧客(潜在顧客)の興味を引くことにも繋がるのです。

このようにコンセプトは美容室経営の軸となる大切な要素ですので、丁寧に検討していきましょう。

ステップ③:事業計画の相談・策定

美容室開業に向けて事業計画の相談・策定を行う美容師

市場調査とコンセプトの立案がある程度固まってきたら、美容室経営の具体的な事業計画を進めていきます。事業計画では、開業の目的や動機、運営内容、雇用、税務(会計)に関することなどを策定する他、開業に伴う課題や対策案についても検討します。

開業手続きは法律や申請する書類が複雑なため、税務署や商工会議所、日本政策金融公庫といった専門の窓口に相談することが一般的なのですが、美容室を開業する際は、開業に関する様々な手続きや課題をトータルでサポートしてくれる美容ディーラーや、美容業界に強いコンサルタントに相談することが多い傾向にあります。

特に美容室の開業は、シャンプー台・セット面・排水などの設備関係や、シャンプー・カラー剤・パーマ液などの薬剤、手袋・ケープ・タオルなどの消耗品といった美容室独自の準備が必要となりますので、店舗用物件の調査や資金調達、開業手続きを開始する前に相談し始めるのが望ましいでしょう。

また、「専門窓口へ相談する前に、自分自身で事業計画を検討しておきたい」といった場合は、思考を整理するフレームワークとして、日本政策金融公庫が発行している「創業計画書」や「月別収支計画書」が役立ちます。

【事業計画の項目例】

  • 開業の目的や動機(実績・資金・指名顧客の増加など)
  • 運営内容(ターゲット層・メニュー・価格など)
  • 課題や対策案(経営・売上・人材・集客・マネジメントなど)

<参考>国民生活事業(株式会社日本政策金融公庫)

ステップ④:店舗用物件の調査

市場調査・コンセプト・事業計画の策定が一段落すれば、いよいよそれらを実行する段階に進んでいきます。まずは、店舗用物件の調査に入り、資金調達の目処を立てていきましょう。

店舗用物件の調査は、

  1. エリアの決定
  2. 物件の候補出し
  3. 現地調査

という流れで進めます。

店舗用物件は、ゼロから店舗を建てる場合を除くと、備品や設備等が取り除かれた「スケルトン物件」か、以前使われていた備品や設備がそのまま残った「居抜き物件」の2パターンから選択することになります。

スケルトン物件を選択する場合は、

  • ガス・水道・電気・排水・インターネットといった設備関係に問題がないか?
  • シャンプー台やセット面の配置に問題がないか?

といった点を入念にチェックしておきましょう。居抜き物件をリフォームする場合も同様の確認が必要です。

ステップ⑤:資金調達・借入

事業計画と物件調査を進めていくとおおよその予算が確定しますので、店舗用物件調査と平行して資金調達・融資申し込みの準備を始めていきましょう。

なお、美容室開業にあたって必要な資金は「開業資金」と「運転資金」から算出して準備する必要があります。

開業資金とは主に設備関係の準備に必要な資金のことで、不動産契約費・内装費・備品(シャンプー台やパーマ機など)などがあります。

【開業資金】

  • 不動産契約費
  • 内装費(リフォーム費・工事費)
  • 備品
  • ホームページなどの制作費

一方、運転資金とは店舗運営にかかる費用のことで、家賃・人件費などの固定費や、水道光熱費・材料費などの変動費に分けられます。

【運転資金】

  • 家賃
  • 水道光熱費
  • 通信費
  • 人件費
  • 材料費
  • 広告宣伝費

開業資金の具体的な金額や内訳、資金調達の方法については「美容室を一人で経営・運営するメリット・デメリットは?成功のポイントも解説!」で詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

ステップ⑥:店舗用物件の契約・着工

美容室開業に向けて店舗用物件の契約・着工を実施するイメージ画像

資金調達の目処がつくと、店舗用物件の決定・契約手続きを進めていきます。

【店舗用物件の申し込み手続きの流れ】

  1. 申し込み
  2. 入居審査
  3. 賃貸契約(初期費用の支払い)

申し込みには申込書の提出以外に、事業内容や財務状況が確認できる書類の提出が求められます。また、物件オーナーと面談する場合もありますので美容ディーラーや不動産担当者と綿密に打ち合わせをしておきましょう。

入居審査の結果はおよそ1週間程度で通知され、一般的に契約当日までに初期費用を支払います。

無事契約が完了したら、美容ディーラーとともに内装のリフォームや設備工事、備品の設置を進めていきます。

ステップ⑦:従業員の採用活動

従業員を雇い入れる場合は、店舗の施工が始まった頃から採用活動を実施するのが良いでしょう。

従業員を募集する媒体は、

  • 求人サイト
  • 求人チラシ
  • ポスター
  • 看板
  • ハローワーク
  • SNS
  • オウンドメディア(ホームページやブログ)

といったものがあります。

加えて、媒体を使用せずに美容師仲間から紹介してもらうという方法も選択肢の一つでしょう。

「媒体への掲載が予算内におさまるのか?」「新規開店予定の美容室に人材が集まるのか?」といった不安があるかと思いますが、弊社クリエイティブブレーンではスタッフの採用活動もトータルサポートしておりますのでご安心ください。

ステップ⑧:開業手続きの手配・提出

店舗の内装工事・採用活動と平行して、開業手続きの手配・提出を進めていきます。書類の主な提出先は出店エリアを管轄する税務署となります。

【代表的な提出書類】

  • 開業届出書
  • 青色申告承認申請書
  • 給与支払事務所等の開設届出書
  • 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
  • 棚卸資産の評価方法の届出書
  • 所得税の減価償却資産の償却方法の届出書
  • 消費税課税事業者選択届出書

従業員を雇い入れるか、減価償却資産の償却方法を定率法にするかなど、経営・運営の内容によって提出する書類が異なります。

税務署や税理士、美容ディーラーなどと相談の上、提出漏れがないように準備しましょう。

ステップ⑨:集客活動の開始

店舗や書類の準備が進みオープン時期の目処が立ったら、集客活動を開始していきます。

集客方法には、

  • 美容室検索・予約サイト
  • チラシ・ポスティング
  • ホームページ
  • SNS・ブログ
  • Googleマイビジネス
  • インターネット広告

などがありますが、闇雲に集客してしまうと失敗を招いてしまいます。

そのため、集客での失敗を防ぐためには、ターゲットにしている客層にマッチしたアプローチ方法やコンテンツを選択する必要があります。

集客については、「新規顧客の獲得に使える!美容室の集客に効果的な方法とは」で詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。

ステップ⑩:プレオープンの実施

美容室開業までもうひと踏ん張りとなりました。

プレオープンを実施し、オペレーションの確認や課題点をあぶり出していきましょう。

【プレオープンでの確認事項】

  • 消耗品の不足がないか
  • 設備や備品は正常に作動するか
  • サービスフローに問題がないか
  • 従業員の接客・施術内容に問題がないか

プレオープンに招待するお客様は、家族や親戚といった身内や、美容室開業に至るまでにお世話になった関係者、美容師の先輩・後輩などの他、美容室の近隣住民を招くこともあります。そのため、経営・運営目線でのフィードバックが欲しいのか、あるいは客目線での感想が欲しいのか、目的に応じて選択してください。

また料金に関してですが、お礼の意を込めて身内や関係者を招待する場合は無料とするケースが多く、地域住民へのお披露目会とする場合は特別料金での提供や、次回以降で使えるスペシャルクーポンを配布するケースが多い傾向にあります。

プレオープンを成功させるには、本番さながらの緊張感を持って営業することがカギとなります。プレオープンが終わった後は、オープンに向けて課題や不安を解決していきましょう。

美容室開業の流れをスムーズに進めるポイント

美容室開業の流れをスムーズに進めるポイントは、独立を決めた段階で美容ディーラーやコンサルタントへ相談することです。

美容室は1年以内に6割が、3年以内に9割が廃業すると言われている一方で、開業3年目でオーナー年収700万円以上を目指すことも可能となっています。長く経営し続けられる美容室を目指すには、入念な開業準備がどれほど大切かということがおわかりいただけるかと思います。

弊社では、市場調査やコンセプト立案、事業計画の策定、資金調達、税務相談といった美容室開業の流れをサポートするだけでなく、

  • 集客企画・施策等
  • メニュー・価格設定
  • 取扱い商品選定

といった美容室を長く運営していくためのサポートも行っていますので、開業を決められた早い段階でご相談ください。

美容室オーナーの年収については「美容室経営者が目指す年収はいくら?代表的な年収ラインも解説」でご紹介していますので、併せてご覧ください。

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