美容業界が抱える課題とは?美容室・サロンの今後の動向も解説
2022年8月31日
「美容室の集客が上手くいかない……」
「美容室に適した集客方法はどれ?」
「新規客とリピート客で集客方法に違いはある?」
このような悩みを抱えている美容室オーナー様に向けて、『美容室で効果的な集客方法』を網羅的に解説していきます。さらに、新規客とリピート客それぞれの集客ポイントと具体的な運用対策についてもご紹介していますので、ぜひ参考にご覧ください。
目次
美容院の集客方法と言えば、クーポンサイトで値引きをしたり、メニュー自体の単価を下げたりする方法が思い浮かびます。私たちクリエイティブブレーンは美容ディーラーという立場から多くの美容室に携わっていますが、やはり値引き訴求による集客を実施している美容室は多いように感じます。
確かに、値下げによる集客は即効性があるため、新規オープン時などの瞬発性が必要な場面では有効な方法だと言えるでしょう。
しかし、値下げによる集客に依存していると長期的に売上が落ちてしまい、経営自体が傾く可能性も否めません。
そこで、効果的な集客方法をメリット・デメリットと共にまとめました。
【美容室で効果的な集客方法】
それでは詳しく見ていきましょう。
チラシには新聞や冊子などに折り込んで配布する折込チラシや、ポストに直接投函するポスティングチラシといった種類があり、さらに他のお店や施設に設置してもらうといった配布方法もあります。
チラシのメリットはローカル性に特化している点で、美容室周辺にいる人の集客を得意とします。また、実際に足を運んで見に行くことができるため情報の信頼性が高く、主婦(主夫)やシニア層にアピールしやすいというメリットもあります。
一方デメリットには、集客効果が持続しにくいという点と、情報量に限りがあるという点があげられるでしょう。
新規オープンや改装オープン、イベント開催といった短期的かつピンポイントで集客したい時には大変効果的です。
DM(ダイレクトメール)とは、電子メールや郵便で顧客に直接情報を届ける集客方法です。今は少なくなりましたが、FAXによる情報配信もDMの一つです。
メリットは直接顧客にアプローチができる点と、顧客に合わせて内容を変えられる点です。
一方デメリットは、顧客のメールアドレスや住所を知る必要があり、なおかつ同意を得なければならない点です。そして、手間やコストがかかる割には、開封されずにそのまま捨てられる可能性が高いという点もあげられるでしょう。
そのため、お誕生日特典のご案内など、送付する頻度が少なく、開封したくなるような特別感のある内容の時に有効的な集客方法となっています。
メールマガジンとは、定期的に電子メールで情報を発信するマーケティング手法の一つです。DMとの違いは、購読したいと思った顧客が自分の判断で受け取っているという点にあるでしょう。そのため、顧客との関係性が強いという性質を持ち合わせています。
また、メールではなく、コミュニケーションアプリのLINEで配信するLINE公式アカウントの利用者も増加傾向にあります。メールよりも開封率が高く、顧客管理や解析、登録の経過日数に合わせて違った内容が配信できるステップ配信(Lステップ)といった機能面の充実がメリットとしてあげられます。
さらに、メールマガジンとLINE公式アカウントは、他のサイトやSNSへの誘導も促進できるため、新しくクーポンを配布した時の集客や店販商品のインターネット通販などにも活用できるでしょう。
一方デメリットとしては、定期的に配信する内容を企画・作成する必要がある点です。また、顧客が自身で購読しているからといって、必ずしも開封してもらえるわけではありませんし、迷惑メールに登録されたり、ブロックされたりといった可能性も否めません。
ホームページやブログなど、自社で運営を行っているWebメディアのことをオウンドメディアといいます。
オウンドメディアを運用するメリットは、自由にサイトが構築でき、制限なく情報発信できる点にあります。また、チラシやDMなどの流動的な集客方法に比べて、発信したコンテンツが資産となる点も大きいでしょう。
デメリットとしては、集客にすぐ反映されない点や、運用する難しさがあげられます。また、自社でサーバーやドメインを使用するのであれば維持費が発生します。
まずは無料のホームページ作成ツールやブログサービスを利用してみて、オウンドメディアの運用に慣れてみるのも一つの方法ですが、集客スピードにこだわるのであれば、オウンドメディア運用に強いマーケティング会社へ依頼することをお勧めします。
SNSを利用して集客を成功させている美容室が増えていますが、SNSと一口に言ってもさまざまな種類があります。
【SNSの種類】
SNSを集客に利用するメリットは、情報発信の自由度とスピード感です。また、広告の掲載や顧客との交流、効果測定なども可能です。
デメリットとしては、集客の成果が出るまで時間がかかる点と、炎上被害に遭うリスクが高い点です。また、コツコツと長期的に運用する必要があるので、負担も大きくなります。
こちらも自社での運用が難しい場合は、SNS運用の代行業者に頼むのも一つの手でしょう。
看板には、屋上看板や壁面看板、建物の壁から突き出るように設置されている突き出し看板、地面に直接建てている建植看板(野建て看板)、設置工事不要で自由に置く場所を変えられるスタンド看板などがあります。
通行人に存在を認識してもらえたり、コストパフォーマンスが優れているといったメリットがある一方、景観を損なってしまったり、掲載できる情報量に限界があるというデメリットがあります。
看板と同じく、のぼり(のぼり旗)も通行人に対してアピールできる集客方法です。季節やイベント、時間帯に合わせて簡単に差し替えられる点がメリットと言えるでしょう。
美容室検索サイトやクーポンサイトは、ホームページやブログなどのオウンドメディアを持っていなくてもオンラインで集客ができる上、サイト自体の集客力が高いため新規獲得に繋がりやすいというメリットがあります。利用プランにもよりますが、美容室ごとに担当者がついて集客活動をサポートしてくれるという点においても心強いでしょう。
しかし、依存しやすかったり、リピーターになりにくかったりといったデメリットもあります。
全ての集客をこのようなポータルサイトに任せてしまうと、サイトで何らかの問題が発生した際に大きな痛手となるため、例えばオウンドメディアに誘導するなどして、ポータルサイトに依存しすぎない工夫が必要となります。
Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)とは、Googleがローカルビジネス向けに提供している無料のビジネス情報管理ツールです。美容室の情報を登録しておけば、Googleの検索結果やGoogleマップ上に表示されます。
【Googleビジネスプロフィールの機能】
メリットが多いGoogleビジネスプロフィールですが、ネガティブなクチコミが投稿されたり、顧客が撮影した写真が投稿される可能性もあります。反対に、ポジティブなクチコミや魅力的な写真が掲載されていれば、大きな集客源となると言えるでしょう。
タウン誌などのフリーペーパーやフリーマガジンは地域密着型の配布物となっていますので、多くの人に宣伝ができ、また、リピーターが育ちやすいといったメリットがあります。
一方、掲載できる枠が限定されているため、情報量が少なく、鮮度が保ち難いといったデメリットもあります。さらに、他の広告枠に紛れてしまいがちなので、目を惹くデザインで差をつける工夫も必要となるでしょう。
インターネット広告には下記のような種類があります。
【インターネット広告の種類】
これらの広告媒体を集約し、まとめて広告を配信するアドネットワークという仕組みも存在します。
インターネット広告のメリットは、少ない費用から出稿できる点と、ターゲット層へピンポイントにアピールできる点、そして、効果測定がしやすい点にあります。
反対にデメリットには、運用の難しさや変化が速いといった点があげられるでしょう。また、プラットフォームの運用に依存する形となりますので、アルゴリズムが変更される度に効果が変動してしまうといった不安定さも痛いポイントです。
次に、美容室で新規客を集客するポイントと具体策について解説していきます。
それでは詳しく見ていきましょう。
美容室で新規客の集客を上げるには、まず美容室自体の存在を知ってもらうことが必要です。つまり、認知度アップが不可欠ということです。
認知度のアップに向けて、以下の3ステップをクリアにしていきましょう。
認知度アップに向けて行う最初のステップは、「誰に向けて(ターゲット層)、何をアピールするか(強み)」という部分を明確にすることです。ターゲット層と強みが明確化できれば、ターゲット層が抱えている悩みと解決策を顧客目線で紐解いていきます。
そして、「どのように伝えるか(手段)」は、ターゲット層が目にする機会の多い情報媒体を採用します。例えば、10代・20代の若者をターゲットに見据えているのであれば、チラシの配布やタウン誌への広告出稿などはあまり集客効果が期待できません。
また、10代・20代の最近の傾向として、クーポンサイトやクチコミサイトのような、検索結果が操作されている可能性の高いものは参考にせず、Googleビジネスプロフィールのクチコミや、実際に目で見て確かめることができるYoutubeやTikTok、InstagramといったSNSを参考に美容室を選んでいる傾向があります。
さらに、発信方法のポイントとしては、競合の美容室がどのような方法で認知度を上げているのかをリサーチしてアプローチ方法をずらしたり、上質なコンテンツを提供して権威性を高めたりといった工夫で、他の美容室との差を作っていくことが必要となります。
顧客が美容室に来店するには何らかのきっかけが必要で、きっかけは大きく分けて2つの種類に分類されます。
1つ目の身体的なきっかけは、「髪の毛が伸びてきたので切りたい」「白髪が目立ってきたので染めたい」というような、生理現象によるものです。
そして2つ目の心理的なきっかけは、「腕の良い美容師さんに切ってもらいたい」「できるだけ安くすませたい」「居心地の良い美容室に行きたい」というような、気持ちを満たすためのものです。
特に新規顧客の場合は、2つ目の「心理的なきっかけを満たせるかどうか」というポイントを重視している傾向があります。なぜなら、前回利用した美容室で「これらの要望が満たされなかった」という可能性が高いからです。
即効性のあるきっかけ作りとしては、「新規来店割引・特典がある」というような施策が代表的なものですが、値引きに頼った集客は後々経営に響きますので依存するのは良くありません。
例えば、
というような強みの訴求で、来店の動機を提供しましょう。
美容室選びの決め手は、「不安が解消されるか」というポイントにあります。
例えば、
価格がわからないので、予算内に収まるか不安……
常連客が多そうで、雰囲気に溶け込めるか不安……
車の運転が得意ではないので、駐車できるか不安……
というような不安があれば、その他の条件が良くても来店に繋がらない可能性があります。
これらの不安を解消するには、事前に情報を提供することです。Googleビジネスプロフィールやオウンドメディア、SNSなどを利用して、メニューや価格の紹介、店内の雰囲気、周辺の交通や駐車場の状況などを発信しましょう。
新規客を獲得するには、リピート客と比較して5倍のコストがかかるというマーケティングの法則があります。つまり、リピート客を5名集客するのと、新規客を1名集客するのにかかるコストは同じだということです。
そこで、リピート客を集客するためには、新規客とは異なるアプローチが必要だということも念頭に置いておかなければなりません。
それでは詳しく見ていきましょう。
一度来店した顧客にリピートしてもらうには、美容室のことを覚えておいてもらう必要があります。
そのためには、既存客との繋がりを作っておかなければなりません。
既存客と繋がりを持つためにはDMやメールマガジン、LINE公式アカウント、SNSが有効的でしょう。会計時にこれらの登録・フォローを誘導し、次回の来店で使えるクーポンや割引券などを提供するのも集客効果につながるアイデアです。
また、これらのツールを使って定期的に情報を発信していると、美容室に親近感を抱くようになり、値引き訴求に頼らない質の高い集客を目指していくことができます。このような、「接触する機会が増えると警戒心が薄くなり、好感度や評価が高くなる心理」をザイオンス効果と呼びます。
美容室をもう一度利用しようと思うのは、前回の来店で施術やサービスに満足感を得た場合か、他の美容室では得られないメリットがある場合の2パターンが多いでしょう。
例えば、世界各国に展開している国際的ラグジュアリーホテル「フォーシーズンズホテル
」では、滞在回数に応じて宿泊や食事などの体験をプレゼントするリピーター特典というサービスを提供しています。
美容室の多くは、新規来店向けの割引や特典は充実しているものの、リピート客に対してのサービスが乏しくなりがちです。リピート客向けのサービスとしてポイントカードを導入していても、特典を得られるまでの来店回数が多くてメリットになっていないという場合もあります。
特に美容室は次回の来店まで数ヶ月空くことがほとんどですので、1〜2年後の割引のためにリピートするのであれば、違う店で新規割引を受けた方がお得でしょう。そのため、顧客にはこまめにメリットを提供したいところです。
また、メリットの提供は値引きだけでなく、「トリートメントが無料」「店販商品の割引」「店販商品の試供品をプレゼント」といった方法もありますし、「美容師の腕が良い」「居心地が良い」「担当美容師さんとの会話が楽しい」「SNSやブログの内容が面白い」といった価値や強みで提供することもできます。
美容室をリピートするきっかけとして、期間限定のサービスやキャンペーンの提供も効果的です。
【期間限定のサービスやキャンペーンの例】
経済産業省によると、理美容サービスへの家計支出が多い月は年末の12月と年度末の3月、梅雨時の6〜7月となっています。美容室に行く人が多いこの時期にキャンペーンを開催して、顧客離れを防ぐというのも一つの方法でしょう。
【参考】最近いつヘアカットに行きましたか?コロナ禍での理美容業を振り返ります|経済産業
また、 DMやLINE公式アカウントを活用し、来店時期付近に再来店を促す誘導を実施するというアイデアもあります。顧客に個別のメッセージを準備することは大変手間がかかる作業ですが、「以前の来店を覚えていてくれた」という特別感を与えることができ、リピートにつながりやすいでしょう。
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